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シルクロードの起点・中国の古都西安のご案内
　　

シルクロードの起点ともいえ、中国の文化旅行中心都市西安は中国の真ん中からまだ東よりにあります。
ここも三千年前から周、秦、漢，晋、隋、唐の都でした。
人口は郊外区もいれて約八百万人、中国の西北地方では最大の都市。そしてなにより嬉しいのは絵にかいたように四角く、城壁に囲まれているのです。碁盤の目のような街路はなるほど我が国の奈良、京都のお手元はこれか！　と納得します。
現在の城壁は明代のもので延べ十三キロ、大唐の都、長安城の頃は今の八倍の広さとか！西門に登ってみると、はるかシルクロードをみようとおもったのですが、道がみえる窓は売店になって、ふさがってます。この西門の上の厠（かわや）は大きくて溝がそのまま城壁の外に流れるようになっています。
　   

◆大雁塔・小雁塔

   

『西遊記』ファンとしては絶対みおとせないのが、市の南四キの所にある大慈恩寺の「大雁塔」。玄奘がインドから持ち帰った経典を、ここで翻訳し納経した所。中国の国家重点文物保護単位、すなわち国宝です。現存する古塔の中で最も有名。古都西安の象徴とされ、西安市の徽章にもデザインされている。大雁塔の正式名称は「慈恩寺大雁塔」。創建は652年、楼閣式のレンガ造りで、隙間は漆喰で固められ、レンガ壁の上に角柱がのぞく、中国独特の伝統建築様式をとっている。
史書によると、慈恩寺は唐高宗、李治が、母の文徳皇后の冥福を祈って建てたものだという。北には元殿を含む大明宮があり、周囲を取り囲む曲江池、杏園、楽遊原の風景も非常に美しい。
   
大雁塔から南門方面へ二キロに行って「小雁塔」があります、玄奘と同じインドの経典を持ち帰って翻訳、納経した義浄の塔です。広州から船でインドに渡った人です。十六世紀の大地震で上部が裂けたところを修復されて、美しく、彫刻も素晴らしく、慈恩寺の勇壮な大雁塔とともに光り輝く。規模が小さいために小雁塔と言われます。唐代の美しい建築芸術遺産だ。中国は古来、対称美を大切にする。勇壮な大雁塔は、がっちりとした男性のように、大慈恩寺にそびえたち、美しい小雁塔は、しとやかな少女のように、薦福寺にたおやかにたっている。この人間の男女のような対称美には感心させられます。

◆華清池

　　
市中心から東に三十キロ、秦始皇陵墓へ行く途中にあります。唐の玄宗皇帝と息子の嫁、楊貴妃のロマンスの地で、ここを舞台に絶世の美女といわれる楊貴妃との享楽生活にふけったのです。
楊貴妃は１６歳の時、美人に選ばれて宮殿に入り、玄宗の子（寿王）の妃となりました。美人で聡明な楊貴妃は玄宗皇帝の寵愛を一身に集め、それから、皇后に次ぐ高位「貴妃」となったのです。（本名は「楊玉環」といいます）
以来、玄宗皇帝は毎年秋から春にかけ、ここ華清宮で楊貴妃とともに過ごし、享楽の毎日を送りました。

なお、華清池は、現代中国史においても重要な政変の舞台となっています。
西安事件で蒋介石が監禁されたのもここの華清宮の五間亭です。

◆秦始皇帝の陵

　　
大きな体育館のような建物のなかに「兵馬俑」の大軍団があります。
土に埋まった等身大の秦軍の隊長と兵士の陶傭が五百体以上。まだ掘れば後続部隊は六千体はでるという話です。一九七四年、土地の農民が井戸を掘ったら、右翼の先頭の兵士にぶつかったといいます。すこしずれてたらと思うと、運命的な発見です。
別館の陳列室に大型銅車や兵馬傭の造り方がでています。すごいのは門前の売店や露天市。陝西省及び黄土高原地域の工芸品、民芸品、赤いちゃんちゃんこや靴、兵馬傭のレプリカ、中国風の飾りもの、アクセサリー、お土産がいっぱい。
二千二百年前、中国を初めて統一した秦の始皇帝も、業績より墓が有名になろうとは思ってもみなかったでしょう。

◆城内の見どころ・買いどころ
　　

東大街通りや解放路通りでは、陝西省の民芸品、高土高原地域民俗工芸品、やちゃんちゃんこや子どもの布靴の刺繍やキルティングは虫や妖ガイの類いで面白いです。あと唐三彩。
秦傭のミニチュア。コウリャンからつくる西鳳酒。拓本。もう一つおすすめは市の中央、鐘楼の少し西に鼓楼があります。この周辺の店舗はそのまま昔の映画が撮れそうなたたずまいです。回教寺院の清真寺もこの近くです。少数民族が住んでるのもこのあたりですが、たてものも庭も中国風です。青い目金髪の人にはあえるのが少なくありません。
 

  中国結び飾りの話

     中国結びつるし飾り・さがりものは、中国民間手芸の一つのひも結びで作る装飾品であります。
ひも結びの歴史は、旧石器時代に遡ることができます。古代人は、ひも結びで物事を記憶し、感情と情報を伝えていました。漢字の発音から見れば、「縄」と「神」の発音が近いこと「縄」は、龍の形を象徴することから、先史時代より「縄」を崇拝する文化がありました。「結」という字は、力、調和、感情豊かの意を持っています。例えば、団結、結合、結縁、結果など全ては、団らん、親密など温かいイメージを与えます。また、「結」と「吉」の発音も近く、福、禄、寿、喜、財、安､康は、全て「吉」の範疇に含まれていることから、人類が憧れる永遠のテーマとなっています。このように、「中国結び飾り」は、強い生命力を持つ民間手芸として、また、中国伝統文化の精華として、今日まで伝わって来ました。 中国結び飾りは、一つ一つの結びが端から端まで一本の絹糸で編まれており、異なった形と意味によって、名づけられているのが特徴です。精巧な結び方や技法により、縁起の良い名前を与えました。例えば、「如意結」、「吉祥結」、「長寿結」など。 さらに、異なった結びを組み合わせたり、縁起物と一緒に結ぶ事で、独特な造型や、鮮やかな色を持つ、寓意深い、内包豊かな中国伝統的装飾品になります。 例えば、「吉字結び」と「魚結び」を合わせると「吉慶有余」つまり、吉祥と慶びが沢山ありますようとの意味になり、「蝙蝠結び」と「金銭結び」を合わせると「福到眼前」つまり、福が目の前に訪れますようにという意味になります。
　中国結び飾りは、温かい表現を用いて、単なる装飾品ではなく、気持ちを伝える品物として、実用性、飾り、意思表現、お守りとしての機能を一体化させた工芸品となります。また、「中国結び飾り」は、ブレスレット、指輪、ネックレス、イアリングや、服飾、インテリアなどとしても、人々の日常生活に浸透しています。
　「反朴帰真」つまり素朴、素直に表現する近代文化の中、中国結び飾りは、世界を結んで、多くの人々に愛顧されています。

西安民俗手芸刺繍観賞



西安ちゃんちゃんこの立体アップリケ
ヘビ、トカゲ、サソリ、クモ、カエルなどがほとんど手細工。